「経営革新等支援機関」の認定証
東海税理士会所属

事務所通信

2018年4月

自社の概要をわかりやすく伝える「ビジネスモデル俯瞰図」を作る

 融資申込や経営計画の提出にあたり、金融機関などの外部者に自社の概要を説明する機会が増えています。その際、事業内容、理念・ビジョン、役員構成、従業員数、沿革などの文章情報だけでなく、ビジネスの商流・物流・資金の流れを図式で表した「ビジネスモデル俯瞰図」を作成すると相手に事業の全体像が一目で伝えやすくなります。ビジネス全体を俯瞰することで、自社の現状と課題を明らかにすることができるため、経営計画の策定や改善策を立てる一助にもなります。

出産・育児による離職を防ぐ働きやすい職場づくり

 出産を控えた女性従業員から請求があれば会社は産前休業を与える必要があり、産後については、原則として8週間は就業させることができません。また、原則として、育児休暇の申請を受ければ、子が1歳になるまで育児休業を与える必要があります。
 産前・産後、育児休業期間中は、従業員本人と会社負担の保険料が免除されるほか、従業員には、出産手当金や出産育児一時金、育児休業給付の支給などの制度もあります。
 経験豊富で優秀な人材の離職を防ぐためにも、情報の周知や社内体制を見直してはいかがでしょうか。

経理・総務担当必見!従業員の異動に伴う税務・労務の手続 

 4月は、新入社員の入社や従業員の扶養家族の異動がある時期です。家族に就職などの異動があった従業員や新入社員からは「扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けるとともに、新入社員には、申告書にマイナンバーを記載してもらいましょう。
 新入社員が入社した場合、入社日から5日以内に健康保険・厚生年金保険の資格取得の届出、入社日の翌月10日までに雇用保険の資格取得の届出が必要です。

2018年3月

経営者保証のない融資が広がる

 中小企業融資において、経営者の9割が個人保証を提供し、うち半数以上がその解除を望んでいます。
 「経営者保証に関するガイドライン」では、経営者が会社の資金や資産について公私の区別を明確にすること、会社の資産・収益力によって借金返済が可能であると判断できること、金融機関へ財務情報を提供すること、など一定の経営状況を満たせば、個人保証のない融資や既存の保証の解除などの可能性があるとしています。
 健全経営に取り組み、個人保証のない安心感のある経営をめざしましょう。

会社と役員の資産・経理を明確に区分する

 中小企業では、会社の資産と役員個人の資産との区別が曖昧になりがちです。
 会社と役員との間の金銭や不動産の貸し借りは、通常の取引と同様に、契約書の作成や、利息や家賃の支払いが必要な場合があります。事業に関係のない役員の個人的な支出は、税務上、役員給与となり損金への算入が認められません。金融機関からも厳しい眼で見られます。
 本業の業績が良くても、役員の私的流用が多いと資金繰りが苦しくなり、経営に悪影響を及ぼすだけでなく、社内全体のモラルの低下を招きます。自社の状況を見直しましょう。

再点検!売掛金管理と回収の5つのポイント

自社の「売掛金管理と回収の5つのポイント」を押さえ、売掛金の不良債権化や貸し倒れのリスクを小さくするように再点検してみましょう。

  1. 得意先との情報共有を図り、支払期日などの認識を一致させる。
  2. 営業担当者には、売掛金未回収の正当な理由を報告させる。
  3. 回収遅れの原因となる請求書の発行遅れや誤請求に注意する。
  4. 債権の消滅時効に注意して、内容証明郵便による請求などの手段を検討する。
  5. 最終手段として、法的手続(支払督促、少額訴訟など)を検討する。

2018年2月

成り行き経営からの脱却 ~黒字化のための経営計画作成ステップ~

 経済が右肩上がりの時代は、資産の含み益を担保にした融資や、資産売却による借入金返済が可能でした。しかし、経済が低成長の時代に入った今、これからは、黒字を重ねて利益を内部留保し、経営基盤を安定させなければ、企業の継続が難しくなっています。
 会社を継続させるために、最低限必要な売上高と利益を確保するための経営計画を作成し、目標に向かって経営することが必要になっています。
 黒字化を目指した経営計画の作成を通じて、自社の経営課題を明らかにして、その改善策を図ることが成り行き経営からの脱却になります。

身の丈にあった借入れとは?

 設備資金の借入れにあたっては、毎年の返済額を「減価償却費の範囲内」に収める返済計画を立てましょう。減価償却費は、資金流出のない費用であるため、この範囲に返済額が収まれば資金繰りが楽になり、利益を内部留保として蓄積することができます。このような返済計画での借入れが困難であれば、「減価償却費と税引後利益の合計の範囲内」に収めるようにしましょう。
 「TKC経営指標(BAST)」の「借入金対月商倍率(月)」「自己資本比率(%)」の数値から、赤字企業ほど、借入金が多く、自己資本の割合が低い傾向にあることがわかります。自社の数値と比べてみましょう。

所得税の確定申告のもれに注意!

 個人事業者や不動産オーナー、給与以外の収入がある人などは所得税の確定申告が必要です。以下のような申告もれがないか、確認しましょう。
○満期保険金・解約返戻金の受け取りは、一時所得として申告が必要な場合があります。
○ふるさと納税の返礼品や懸賞金、競馬の払戻金なども一時所得です。満期保険金などとの合計で50万円を超えると、申告が必要になることがあります。
○医療費控除額は、平成29年中に支払った医療費の総額から、保険会社からの保険金や高額療養費などによる補てん金額を差し引いて計算します。
○外国為替証拠金取引による利益は、雑所得として申告が必要です。
○ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告をすると無効になります。確定申告において、あらためて寄付金控除(ふるさと納税)の申告が必要になります。

2018年1月

経営理念を身近に、日々の行動につなげる1年にしよう

 自社に経営理念はありますか。その経営理念は、社内に浸透し、活かされていますか。せっかくの経営理念を活かせていない例が少なくありません。一方で、経営理念の実践のために様々な取り組みをしている企業も多くあります。
 本誌では、事例として「理念、年度方針、数値目標などを記した理念手帳の全社員への配付と社内勉強会を通じて、経営理念の実践に取り組む美容院」と「経営理念を文化として、個々の業務の中に根づかせるために具体的な行動指針を定め、実践している歯科医院」を紹介しています。
 新年を迎え、事例を参考に自社の経営理念の浸透について考えてみましょう。

平成30年1月からの配偶者控除等の改正の影響は?

 平成30年1月から、配偶者控除と配偶者特別控除が改正されます。例えば、夫がサラリーマンで妻が夫の扶養の範囲で働く場合、以下の点に注意が必要です。
○妻の収入が年103万円を超えると、配偶者控除に代わって適用できる配偶者特別控除が大幅に拡大され、妻の収入が年150万円以下(改正前:105万円未満)であれば、最高で38万円の所得控除が受けられるようになりました。
○配偶者控除・配偶者特別控除に所得制限が設けられ、夫の収入が年1,120万円を超えると控除額が逓減し、年1,220万円を超えると控除を適用できなくなりました。

 改正によって、制度が複雑になりましたが、夫の年収(給与収入のみ)が年1,120万円以下であれば、従来と変わりません。本誌では、配偶者控除等の額を確認できるチャート図を掲載しています。

業績改善の打ち手 ~自己点検チェックリスト~

 どうして赤字経営ではだめなのでしょうか。これまでは、赤字続きで資金不足に陥っても、銀行からの借入れや社長の個人資産でカバーすることができました。しかし、これからは、黒字でなければ、借入れも難しくなり、個人資産もやがて枯渇します。状況は変わり、黒字でなければ、会社の存続が難しい時代になっています。
 業績改善に取り組み、黒字化をめざしましょう。本誌では、限界利益率の改善、固定費の削減、売上アップの視点から、改善策のヒントをチェックリスト形式で掲載しています。

2017年12月

期中(月次・四半期等)の業績検討の重要性~自社の足腰を鍛え、金融機関からの信頼を得る~

 経営計画(予算)を立てて、業績目標を明確にして営業活動を行いますが、決算直前になって目標と予算との大きな差異に気付いても、もはや挽回することはできません。目標達成のためには、期中に業績検討を行って、予算と実績の差異に気付き、その原因を把握し、対策を打つことです。そのため、期中に計画と実績の相違を検証するための業績管理の仕組みをつくり、実践しましょう。
 さらに、その情報を金融機関へ積極的に提供する企業が高く評価される時代が来ています。本誌では、期中の業績管理によって経営改善に取り組んだ企業の事例を紹介しています。

小さな単位で業績を見てみよう

 業績管理は、部門別に行うことで、課題がより明確になります。部門別業績管理は、決して難しくはありません。部署や部門といった名称にとらわれず、例えば、商品群別や営業担当者別、営業エリア・地域別、得意先別など、社長自身が知りたい「小さな単位」に分けてみましょう。
 部門別で業績を見ると、「何が自社の収益に貢献しているのか。何が損失を出しているのか」について、社長の感覚ではなく、数値で客観的に把握することができます。月次決算と併せて、部門別で業績を把握し、利益率やコスト、採算性が明らかになれば、業績向上のための対策がそれだけ的確になります。また、従業員に利益やコストへの意識、目標達成への責任感が生まれます。

平成30年分の「扶養控除等(異動)申告書」の記載が変わります

 平成30年からの配偶者控除と配偶者特別控除の大幅な改正に伴い、平成30年分の「扶養控除等(異動)申告書」の様式が変更され、従来の「A 控除対象配偶者」欄が「A 源泉控除対象配偶者」へと名称が変わりました。本欄の記載対象は、次の条件を満たす場合です。従来との相違は、納税者本人に所得制限が設けられたこと、配偶者の年収が103万円を超えても150万円以下であれば記載対象になることです。
①納税者本人(配偶者控除を受ける人)の平成30年中の所得の見積額が900万円以下
(給与収入のみの場合、年収1,120万円以下)
②納税者本人と生計を一にする配偶者の平成30年中の所得の見積額が85万円以下
(給与収入のみの場合、年収150万円以下)
※青色事業専従者として給与支払いを受ける人や白色事業専従者でないこと

2017年11月

平成29年のパート収入と税金・社会保険の扶養の範囲

 平成29年のパートの収入と税金と配偶者控除等については、来年(平成30年)からの配偶者控除等の改正と混同しないように注意しましょう(今年は従来通りです)。
 妻の収入が103万円以下であれば、妻に所得税は課税されず、夫は配偶者控除(38万円)を受けることができます。妻の収入が103万円を超えても、夫は配偶者特別控除(3万円~38万円)を受けられる場合があります。本誌では、配偶者控除等と社会保険の扶養の範囲を一覧化しています。

事業承継は社長の仕事

 今後5年で、経営者の30万人以上が70歳以上になるとされ、多くの企業が事業承継のタイミングを迎えます。中小企業庁においても、今後5年をめどに事業承継を集中的に支援するとしています。
 事業承継は、重要な経営課題ですが、明確な期限もなく、差し迫った理由がないと、なかなか進まないといわれています。
 しかし、事業承継には5~10年という長い準備が必要です。後継者が決まっていれば「育成」、後継者不在であれば「第三者への譲渡」などを検討しなければなりません。

本格化まであと半年! パート・契約社員の「無期雇用への転換」とは?

 有期雇用契約のパート・契約社員の雇用期間が5年を経過すると、労働者から無期雇用への転換の申し出ができる「無期雇用への転換ルール」が、施行から5年を経過する来年4月から本格化します。
 経営者に正しく理解してほしい点は、「無期雇用への転換は、正社員にすることではない」「単に有期から無期雇用に転換するのみであれば、賃金などの労働条件を変更する必要はない」「無期雇用の場合、解雇については正社員と同様の扱いになる」ことです。

2017年10月

早期経営改善計画とは

 「早期経営改善計画策定支援」は、「資金繰りが不安定」「売上減少の要因が不明」「自社の状況を客観的に把握したい」といった中小企業の取り組みを支援する国の事業です。税理士等の専門家(認定支援機関)が、計画策定の支援、その後1年間のフォローアップを行います。

 計画書の作成を通じて、経営課題の発見・分析ができ、資金繰りの把握が容易になります。計画書を金融機関に提出し、達成状況を一緒に確認することで、関係強化をはかる機会にもなります。

増える「ふるさと納税」~ワンストップ特例と確定申告による控除はどう違う~

 ふるさと納税は、平成27年から、控除限度額の拡大や確定申告が不要なワンストップ特例制度が始まったこともあって、昨年は、寄附した人が225万人と前年から倍増しました。

 ワンストップ特例の利用条件に当てはまる人にとっては、確定申告とワンストップ特例の“どちらの方法が税金は得なの?”といった疑問があるようですが、どちらも控除される税額は同等で、控除の方法が異なるだけです。ワンストップ特例は、控除税額の全額が翌年度の住民税からの控除になります(還付はありません)。

クレジット加盟店に安全対策を求める改正割賦販売法

 クレジットカード情報の漏えいや偽造カードによる不正利用の被害が増加しています。昨年12月に改正割賦販売法が成立し、クレジットカード加盟店(小売店等)には、カード情報の非保持化やカード決済端末のIC対応化などのセキュリティ対策が義務づけられました(平成30年6月施行)。

 小売店や飲食店などでは、カード決算端末のIC対応化のため、端末の追加、入れ替え、システム更新などが必要になります。ネット通販業では、「なりすまし」による不正防止のため、パスワードやセキュリティコードによる本人確認の仕組みが義務づけられます。

2017年9月

決算書の信頼性を高める中小会計要領

 「中小会計要領」(中小企業の会計に関する基本要領)は、中小企業のための会計の共通ルールであり、多くの中小企業がこれに準拠して決算書を作成しています。共通ルールで作成された決算書であれば、金融機関は、融資先企業の客観的な評価を行うことができるうえ、自社への信頼性も高まります。

 社長の経営判断においても、前月比較、前年同月比較、他社比較などが、より精度の高い数値で分析できるため、経営判断が的確になります。

面倒な相続手続を簡素化「法定相続情報証明制度」が始まりました。

 相続が発生すると、不動産や銀行口座の名義変更などの相続手続を行う必要がありますが、登記所や金融機関に、相続関係を証明するための戸籍関係書類の束を、その都度提出する必要があるなど手続が大変面倒でした。

 「法定相続情報証明制度」は、戸籍関係書類の束に代えて、法務局が発行する「法定相続人が誰か」を証明した「法定相続情報一覧図の写し」を利用することで、相続手続の負担を軽減するための制度です。(5月29日運用開始)

不正が起こりにくい仕組みをつくろう

 従業員数が少ない企業では、「日常業務が1人の従業員に集中」「仕入から販売までの一連の事務処理が1人の担当者」など、業務の流れの中で、他者チェックができない環境が多く、不正やミスが発見されないことがあります。

 不正やミスを未然に防止し、早期に発見するためには、社内の牽制機能を働かせることが理想ですが、難しい場合には、例えば、銀行取引、口座新設は必ず社長や上司の承認を得ること、得意先・仕入先と新たに取引する際は、担当者以外の者がチェックするなど、重要な業務については社内ルールを明確にして、定期・臨時のチェックを徹底しましょう。

2017年8月

自社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」って何?

 金融庁は、金融機関に対して、「ローカルベンチマーク」(ロカベン)によって、融資先の経営者と対話しながら、経営改善や生産性向上を積極的に支援することを求めています。
 ロカベンとは、経済産業省が策定した企業の経営診断ツールで、売上増加率、営業利益率、労働生産性などの財務情報と、ビジョン、製品・サービスの内容、技術力・販売力などの非財務情報をもとに、経営者と金融機関や税理士などの認定支援機関等が対話しながら、将来の可能性を評価し、今後の方向性を導き出すものです。
 ロカベンを利用することで、経営者と金融機関等が同じ目線で、経営改善を進めることが期待されています。また、ロカベン帳表は、TKCローカルベンチマーク・クラウド」から作成可能です。

ITを活用した「新サービスの開発」にも税額控除を適用

 製品の製造や技術の改良・発明等にかかった試験研究費の一定額を法人税額から控除できる研究開発税制は、これまで製造業を中心とした制度でした。平成29年4月から、IoT(モノのインターネット)やAI、ビッグデータ等を活用した「新たなサ-ビスの開発」にも適用対象が広がり、ITや情報サービス系の企業でも税制の優遇を受けやすくなりました。
 また、中小企業の研究開発投資意欲を高めるインセンティブとして、試験研究費の増加率が5%を超える場合には、最大で17%まで控除割合が上乗せされました(2年間の時限措置)。

残業時間と残業代の計算方法を正しく理解しよう!

 残業時間と残業代については、誤解が多いようです。法定労働時間「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を超えると残業になり、時給単価に25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。夜22時から翌朝5時までの時間帯の残業については、50%以上の割増賃金になります。
 法定労働時間内であっても、会社が決めた所定労働時間(例:1日7時間就業など)を超えると残業になり、残業代を支払う必要があります。ただし、法定労働時間内の残業については、賃金の割増は不要です。
 なお、残業代の時給単価の計算には、家族手当や通勤手当、住宅手当などを含める必要はありません。

2017年7月

“利益向上作戦”4つの打ち手を考える

 利益を向上させるには、「①固定費の削減」「②販売数量の増加」「③売上原価の削減」「④販売価格を上げる」の4つの打ち手があります。どの打ち手が最も利益を増加させるか、変動損益計算書を活用してシミュレーションしてみましょう。
 いずれの打ち手も、利益の向上につながりますが、固定費や変動費の削減だけでは限界があり、販売数量を増やすための安易な値引きは、大きく利益を減らす結果になります。実際には、4つの打ち手を組み合わせて考えることになりますが、最も利益を増加させるのは「販売価格を上げる」です。変動損益計算書の考え方を販売戦略に活かすことで、経営力を高めることができます。

契約書の印紙税はここに注意!

 不動産売買、工事請負、金銭消費貸借などの契約書は、印紙税法上の課税文書として、記載金額に応じた税額分の収入印紙を貼らなければなりません。税務調査の際、貼り忘れや金額不足などを指摘されないよう、注意しましょう。
 文書の表題に「○○契約書」といった記載がなくても、文書の記載内容が契約の成立等を証明するものであれば、課税文書になります。印紙税は、文書課税であるため、契約書を2通以上作成した場合、そのすべてに印紙を貼る必要があります。ただし、単に契約書の控えとしてコピーしたときは、コピーした文書に印紙を貼る必要はありません。
 最近は、紙の契約書を作成せず、電子メールでやり取りするケースが増えていますが、このような電子文書は課税文書に該当せず、印紙税はかかりません。

子育て・介護と仕事との両立を支援する助成金の活用

 介護離職者は年間10万人を超え、介護離職予備軍ともいえる「隠れ介護者」(家族の介護を職場に隠している)は1,300万人と推定され、今後、介護離職者は急増することが予想されています。子育て(出産・育児)のために離職した女性の25%は「仕事との両立が難しく、退職せざるを得なかった」といいます。
 育児・介護休業法では、企業に対して、従業員が離職することなく、子育て・介護と仕事との両立ができる介護休暇制度、育休制度などの環境整備を求めていますが、なかなか進んでいないのが実情です。介護・育休制度の整備にあたっては、両立等支援助成金が受給できないか検討してみましょう。
 両立等支援助成金は、介護休業を利用しやすくした場合(57万円)や、男性に育児休業を取得させた場合(57万円)、育児休業の取得と職場復帰をさせた場合(それぞれ28万5千円)などに支給されます。

2017年6月

設備投資減税が拡大されました ~中小企業経営強化税制の創設~

 平成29年度税制改正において「中小企業経営強化税制」が創設されました。これは、生産等に係る設備投資を対象に、経営力向上計画の策定・認定を受けることで、取得価額の即時償却又は10%税額控除ができる制度です。
 新税制では、税優遇の対象設備として「生産性向上設備(A類型)」「収益力強化設備(B類型)」が設けられ、特に「収益力強化設備(B類型)」については、生産性向上や販売開始日の要件がなく、さらに対象設備が生産性等に係るすべての器具備品・建物附属設備にまで拡大され、より多くの業種で利用できるようになっています。なお、平成29年4月1日以降の設備の取得・共用から利用が可能です。

決算後の注意点 ~決算報告、帳簿書類の保存、申告・納付など~

 決算が終了し、法人税の申告・納税を終えても、金融機関への情報開示、帳簿書類の保存など、まだまだ重要なことが残っています。
 帳簿書類の保存については、法人税では原則7年間の保存義務があり、これを怠ると、青色申告の取り消し、消費税の仕入税額控除の否認など、税務上の不利益を被るおそれがあります。
 金融機関への決算報告の際には、事業計画書も持参し、今後の経営の見通しや将来の資金需要について説明しましょう。

なぜ、長時間労働が発生するのか? ~その要因把握が第一歩です~

 残業についてのアンケート調査によると、企業の約8割が「残業削減に取り組んでいる」と回答していますが、依然として削減が進まないのが実情のようです。
 残業が削減できない理由を「人手不足」「業務量の多さ」など、漫然に捉えていないでしょうか。
 まずは、社内の体制や社員一人ひとりの仕事について、改善すべき点を明らかにしてみましょう。社内の風土、仕組みや管理体制、仕事の進め方、季節性、業務の特性などの複数の要因が絡み合っており、それらを一つひとつ紐解きながら、改善していかなければ、なかなか削減することができません。

2017年5月

決算の確定と株主総会の開催 ~決算の基本の「き」を学ぶ⑥~

 株主総会では、決算の承認、役員の選任、剰余金の配当、定期同額給与の改定、定款変更などの重要事項を決定します。役員の選任(改選)を行った場合は、必ず変更登記を行いましょう。登記を怠ると、過料の制裁があります。
 総会後は、議事録の作成・保存が義務付けられています。税務調査では、定期同額給与の改定や事前確定届出給与の支給などについて、株主総会の議事録がチェックされます。
 同族企業であっても、毎期、株主総会を開催して、決算内容を報告し、業績を客観的に確認することを続けることで、緊張感をもって経営に臨みましょう。

マイホームを購入・新築、リフォームするときの税制の特例

 「所得税の住宅ローン控除」「住宅取得等資金の贈与税の特例」は、消費税率の引上げ延期に伴い、措置の見直しが行われています。
 住宅ローン控除は、適用期間が平成33年12月31日まで延長されています。
 贈与税の特例については、適用を検討される方は注意してください。消費税率の引上げ延期に伴い、省エネ等住宅を取得する場合の非課税枠最高3,000万円(消費税率10%が適用される方)の適用が延期されています(平成31年4月~32年3月まで)。
 そのほか、平成29年度税制改正では、特定の増改築等に係る税制優遇措置について、耐震改修・省エネ改修に加えて、一定の耐久性向上改修(劣化対策、維持管理・更新の容易性の確保)を減税の対象にした「長期優良住宅化リフォーム減税」が創設されました。

社員の60歳以降の働き方を考える

 現在の法令では、社員が60歳以降も引き続き雇用を希望する場合には、会社は、原則として雇用しなければなりません。60歳以降の雇用について、年金支給や高年齢雇用継続給付の活用も踏まえ、経営者と社員が話し合って、
  ①引き続きフルタイムでの勤務
  ②勤務日や勤務時間を減らすなど労働条件を見直した働き方
  ③退職
 から選択することになります。
 今後、会社側の人材確保、従業員の年金支給開始年齢の引き上げによる収入確保の問題、などから継続して働く人が増加するでしょう。会社としても、社員の合意のもと、定年延長(60歳→65歳)、継続雇用、定年廃止などの制度を整備しなければなりません。

2017年4月

決算日の前後にやるべきこと ~決算の基本の「き」を学ぶ⑤~

 決算手続きの基本的な考え方は、期末における資産・負債の一切を帳簿から離れて、その実在性や網羅性を確認し、確定することにあります。
 決算日までに、滞留債権、不良債権への対処(債権放棄通知の発行)、不良在庫の処分(処分時の証拠資料の保存)、固定資産の実物と台帳の突き合わせ(売却・除却の場合は証拠資料の保存)などを行い取締役会等の承認を得ておくことも重要事項です。
 貸借対照表の資産・負債の金額がもれなく確定すれば、総額主義の原則に従って、損益計算書の金額も正しく表示され、当期利益も正しく計算されます。

平成29年5月30日 すべての事業者に個人情報保護法が全面適用されます。

 平成29年5月30日から改正個人情報保護法が施行され、これまで適用免除となっていた「保有する個人情報が5,000人以下の事業者」にも適用されることになります。
 個人情報保護法では、顧客や従業員の個人情報を取り扱う事業者が守らなければならない「5つのルール」として、
 ①利用目的を明示して取得する
 ②利用目的の範囲内で利用する
 ③流出、漏えいさせないよう安全に保管する
 ④第三者への提供には、本人の同意を得る
 ⑤本人からの個人情報の開示や訂正、削除の要請に応じる があります。

 個人情報の流出や漏えいは自社の信用に関わり、経営にも大きな影響を与えます。個人情報の取扱いのルールを守ることは、自社の信用を守ることでもあります。

こんなときは貼る?貼らない? 領収書等の印紙税

 受取金額が5万円以上の領収書には、記載金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。実務では、領収書の発行や代金決済の方法に様々なケースがあるため、誤解や判断に迷うケースがあるようです。
 例えば「再発行した領収書」「仮領収書」「レジから発行されるレシート」「領収書と明細書を発行するとき」「Web上で電子発行された領収書」「電子マネーによる決済」「クレジットカードによる決済」などの事例で印紙を貼る必要があるかないかを紹介しています。

2017年3月

たな卸資産の決算手続き~決算の基本の「き」を学ぶ④~

 実地たな卸は、「財産(期末たな卸高)」と「売上に対応した売上原価」を確定させる大切な手続きです。期末たな卸高は、決算手続きばかりでなく、税務調査や金融機関にとっても重要です。
 税務調査では、決算期末日前後の取引を中心に、在庫や締め後の売上が正しく計上され、所得もれがないかが確認されます。
 金融機関は、在庫過多の場合には、不良品やデッドストックが含まれていないか、水増しが行われていないかなど、その資産性の有無を確認します。

税務調査は恐くない!~決算書・税務申告書の信頼性を高めて、安心できる経営を~

 税務調査への不安をなくし、経営に専念したいと思いませんか?
そのためには、日々、正しい記帳を行って、月次決算を実施することが不可欠です。毎月、会計事務所の巡回監査を受けた決算書をもとに作成された税務申告書は税務署からの評価も高くなります。
 さらに、税理士による書面添付(税理士法第33条の2第1項)が行われた税務申告書であれば、より評価が高まるでしょう。決算書の信頼性が高くなれば、金融機関の評価も高まります。

長時間労働を防ぐ働き方を考える~1年単位の変形労働時間制の活用法~

 労働基準法で、労働時間は「1日8時間、1週40時間」が原則です。ところが、業務に繁閑や季節変動がある業種・業態では、この原則が馴染まない場合があります。
 そのような実情を踏まえた働き方として、1年単位の変形労働時間制があります。これは、平均で1週間40時間(年間2,085.7時間)以内に労働時間を設定し、その範囲内であれば、例えば、1日10時間働いても時間外労働にならない制度です
 このような制度を上手に活用して、労働時間を管理し、残業代の抑制や長時間労働の改善に取り組むことが求められています。

2017年2月

決算までに仮払金勘定を清算する~決算の基本の「き」を学ぶ③~

 内容が不明な取引等があった場合に、仮払金や立替金などのいわゆる仮勘定で安易に処理してしまい、そのまま精算されず残高が残っていることがよくあります。
 仮払金などの仮勘定は、月次の決算、遅くても期末の決算までに精算し、決算書に残高を計上しないように努めます。
 決算書に仮払金等の残高が残っていると、税務署は、それが役員や従業員への給与や貸付金ではないかという疑いの眼を持つでしょう。また、金融機関は、仮払金等に資産性がないと判断すれば、資産を減額して実態修正をするでしょう。一方で、決算書に仮勘定の残高が計上されていないことは、決算書の信頼性が高いことの証にもなります。

「配偶者控除」が見直されます

 与党の平成29年度税制改正大綱が公表されました(12月8日)。中でも、注目されるのは、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しです。

●配偶者控除の見直し案
 納税者本人が配偶者控除を受ける場合、納税者本人の合計所得金額900万円(給与の年収が1,120万円)までは、従来どおり、38万円までの配偶者控除が受けられますが、給与の年収が1,120万円を超えると控除額が26万円、13万円、0円と段階的に縮小されます。

配偶者特別控除の見直し案
 配偶者控除の適用ラインを超えた場合に、控除対象配偶者の収入103万円~141万円の範囲で段階的に控除される配偶者特別控除が大幅に見直されます。控除対象配偶者の給与の年収が150万円以下であれば、38万円の配偶者特別控除が受けられます。(ただし、配偶者控除と同様に給与所得によって控除額は段階的に縮小されます)

週40時間制の基本と働き方

 政府において働き方改革の議論が進められており、その狙いの一つに長時間労働の抑制等があります。
 中小企業における働き方改革とは、まずは、労働時間や残業時間についての労働法規を正しく理解して、経営者と従業員が協力して、労働時間のあり方を見直し、自社の特徴にあった(変形労働時間制やパート従業員の活用などを含めた)働き方を考えていくことにあります。

2017年1月

自分(自社)のユニークネス(強み)の発見

元巨人軍の桑田真澄投手は、中学時代はコントロールの良さが強みでしたが、高校野球では通用せず、球拾いの毎日だったそうです。桑田投手は、自分の強みは何かを冷静に分析し、投手としてずば抜けた力はないが、野球の基本である打つ、守る、走る、(配球や癖を)考える、などの一つひとつの力に磨きをかけて、それらの力を総合力として生かすことを考えました。その後の活躍はご承知のとおりです。
一流の強みはなくても、複数の準一流を磨いて総合力を上げるという考え方は、中小企業の経営のヒントになります。

平成28年分の法定調書からマイナンバーの記載が必要です

平成28年分の法定調書(支払調書や源泉徴収票など)と市区町村へ提出する給与支払報告書の提出期限は、1月31日(火)です。今回の提出から、原則として、マイナンバーの記載が必要です。

●給与支払いに関係する法定調書と給与支払報告書のマイナンバーの記載の注意点
 ①源泉徴収票等へのマイナンバー記載には猶予期間はありません。
 ②給与支払報告書は平成28年分からマイナンバーの記載が必要です。
 ③中途退職者の源泉徴収票にもマイナンバーの記載が必要です。
 ④受給者に交付する源泉徴収票へのマイナンバーの記載は不要です。

●外部への報酬等の支払いに関係する法定調書のマイナンバーの記載の注意点
 ①外部への報酬等の支払先からマイナンバーの提供を受けます。
 ②マイナンバー等の提供を受ける際には本人確認が必要です。

決算の基本の「き」を学ぶ ②~ 貸借対照表の残高を確定する ~

決算手続きには、貸借対照表の勘定科目を確認し、残高を確定するという重要な作業があります。

①実地たな卸や残高証明書によって、資産や負債が実在しているか、金額は正しいかを確認し、残高を確定します。
②貸借対照表上の資産・負債は、営業循環基準や1年基準によって、流動・固定に分類します。
③各会計期間の損益計算を正しく行うため、翌期以降の収益や費用とする項目を前払費用などの勘定科目によって貸借対照表に計上します。
正しい決算書から経営状況を把握し、明日からの経営に役立てましょう。

営業循環基準… 資金の循環に着目し、営業活動から生じる資産(たな卸資産、売掛金、受取手形)と負債(買掛金、支払手形)は、保有期間の長短にかかわらず、すべて流動資産、流動負債とします。

1年基準… 期首から1年以内に現金化される資産(流動資産)と1年を超える資産(固定資産)に分類し、1年以内に支払期限が到来する負債(流動負債)と1年を超える負債(固定負債)に分類します。

2016年12月

決算の基本の「き」を学ぶ~損益計算書作成の4つの原則~

会社が自社の現状を知るためには会計が必要です。そして決算を行う(決算書を作成する)ことで、数値を自社で利用したり、金融機関など外部へ公開したり、税務申告に役立てます。決算書は正しいルールに従った会計処理に基づいて作成されることで、正しい経営判断ができ、金融機関等から信頼性のある決算書として評価されます。
損益計算書は、会社の1年間の儲けを表すもので、その作成にあたっては4つの大きな原則があります。
①発生主義の原則
収益と費用は、現金の収支に関係なく、発生した事実に基づいて処理します。
②総額主義の原則
費用と収益は、それぞれ総額で記載します。
③費用収益対応の原則
費用と収益は、その発生源泉に分類して、相互に関連のある費用と収益を対応させて表示します。
④実現主義の原則
収益は、販売の事実があり、対価として現金や売掛金などの貨幣資産を受領した事実があったときに認識します。

これらの原則に基づいて損益計算書が作成されることで、勘定科目ごとに集計された収益と費用を表示し、その差額である利益をいくら獲得したかを確認できるのです。

扶養控除等申告書に漏れやミスがないか、ここをチェック!!

年末調整事務において、従業員から「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいますが、記載内容の漏れや間違いがよくある箇所があります。経理担当者は次の点をよく確認しましょう。
①マイナンバーが漏れなく記載されているか。
②扶養親族の記載漏れ、間違いはないか。
③同居老親等の記載漏れ、間違いはないか。
④「所得の見積額」欄には、収入金額ではなく「所得」金額が記載されているか。
⑤障害者控除・寡婦(夫)控除などを受ける場合、記載事項が記載されているか。

※平成28年分の扶養控除等(異動)申告書にマイナンバーを記載して提出してもらっている場合、平成29年分の扶養控除等(異動)申告書で、改めてマイナンバーの記載を要するか否かについて確認しておきましょう。

印紙税の基礎知識 ~貼り忘れ等に注意~

飲食業、宿泊業や建設業のように、領収書や契約書など収入印紙を貼らなければならない文書が多い業種では、税務調査の際、印紙の貼付の誤りや漏れ等を指摘されることがよくあります。

注意① 印紙を貼らなければならない文書を課税文書といい、「印紙税額表」に掲げられています。
(例:不動産譲渡契約書、金銭消費貸借契約書、請負契約書、領収書など)
注意② 契約書、領収書など文書のタイトル(名称・呼称)ではなく、その文書の内容によって判断します。
注意③ 印紙に消印(割印)等がなければ、印紙税を納付したことにはなりません。
注意④ 貼り忘れ等には、過怠税が徴収されます(最高で3倍のペナルティー)。

貼付の漏れや金額の誤りなどで、余分な税金を徴収されないよう気をつけましょう。

2016年11月

中小会計要領は共通のモノサシ

金融機関は、融資先から提出された決算書が、どのような会計ルールに基づいて作成されたものかが不明だと、客観的な評価ができません。また、法人税申告のための決算書は、税法基準で作成されているため、その会社の真の実力や隠れたリスクが表示されないこともあります。金融機関は、「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)」という共通のモノサシによって、融資先の実態を正しく、客観的に評価しようとしています。

ただ、中小会計要領は、例えば、貸倒れ、減価償却費、引当金などにおいて税法基準とは異なる会計処理を行うことで、税法基準による決算よりも利益が減少することや、赤字になることもありますが、中小会計要領に準拠して作成された決算書は、信頼性の高いものになります。

株主総会決議事項の登記申請時に「株主リスト」が必要~平成28年10月から~

商業登記規則が改正され、次のような役員の変更登記申請等を行う際には「株主リスト」の添付が必要になりました。

①取締役の選任、解任など株主総会の決議が必要な事項を登記する場合
②組織変更など株主全員の同意が必要な事項を登記する場合

「株主リスト」には、「議決権数上位10名の株主」「議決権割合が2/3に達するまでの株主」のいずれか少ないほうの株主について、住所・氏名、株式数等の記載が必要になります。一定の要件を満たせば、法人税確定申告書「同族会社の判定に関する明細書」(別表二)を利用して「株主リスト」を作成することができます(別表二の添付が必要)。

パート収入と税金・社会保険~103万円の壁と130万円の壁~

年末が近づくと、パートで働く主婦は、自分の年収と夫の扶養家族の範囲が気になります(年収とは、給与の手取額ではなく、源泉徴収や所得控除などを行う前の金額のこと)。

○年収103万円以下なら夫は配偶者控除を受けられる(妻本人に所得税は課税されない)
○年収103万円以下でも住民税が課税される場合がある
○年収141万円未満であれば、夫は配偶者特別控除を受けられる
○年収130万円以上になると、夫の社会保険の扶養家族から外れる
○従業員501人以上の企業に勤務するパート社員には、106万円の壁もある

※本誌では、パート収入と所得税、住民税、社会保険の扶養家族の関係の一覧図を掲載しています。

平成28年分法定調書提出のために支払先のマイナンバーを取得しましょう

平成29年1月末が提出期限となる「平成28年支払分に係る法定調書」には、支払先のマインナンバーの記載が必要です。
ほとんどの企業は、従業員のマイナンバーについてはすでに取得しているようですが、外部の支払先のマイナンバーはまだ取得していないところが多いと思います。外部の場合、取得には、時間と手間がかかります。取得が必要な支払先を確認し、早めに準備して、郵送やEメールによる方法などによって、取得漏れのないようにしましょう。

2016年10月

自社の事業内容(強み等)を整理してみよう

金融機関では融資を検討する際、担保や保証に過度に依存せず、会社の事業内容や成長可能性を重視する「事業性評価」を実施することを、金融庁から指導されています。
事業性評価では、財務情報(売上高や限界利益、キャッシュ・フローの増減など)とともに非財務的な情報を分析して、目に見えない強みを評価することが励行されています。
その際の視点として、次の4つの着目点があります。
1.経営者への着目
2.事業への着目
3.関係者への着目
4.内部管理体制への着目
会社の継続的な発展のためには、自社の事業の特徴や強みは何かを客観的に掘り下げてみることが必要です。この機会に、金融機関が着目する4つの項目に沿って整理してみてはいかがでしょうか。

損金処理が否認され、役員賞与に認定されるとどうなる

会社(法人)の事業活動に必要な費用は、経費として処理します。事業活動とは、お金を使って、売上や利益を得る活動を言います。
したがって、税務調査において、社長が使用する消耗品や提供を受けるサービスの費用が、社長個人の利益にしかならず、売上や利益の獲得に直接必要でないと認定されると、社長への賞与(給与)とみなされる場合があります。損金として処理していた経費が、例えば、社長への役員賞与と認定されると、新たな税負担(法人税や社長個人の所得税など)が増えることになります。
会社の経費として損金算入が認められるのは、あくまで事業に関係ある支出に限られ、明らかに事業に関係のないもの、社長や役員の個人的な支出とみなされるものについては、損金算入が認められません。

利益はどこへ消えたのか? ~ 貸借対照表から資産の運用状態を見る ~

利益が出ていると言うけれど、預金は増えてないよ…。決算が近づくと、社長からよく出る言葉です。損益計算書に計上された利益(黒字)はどこへ消えたのでしょうか。
その答えは、前期末と当期末の残高を比較した比較貸借対照表から知ることができます。

例えば次のようなケースでは現預金が増えません。

● 当期利益が500万円だった。(資金の増加:+500万円)
● 2期比較で、借入金返済300万円、売掛金増加200万円、在庫増加200万円の差異が生じていた。
(資金の減少:▲700万円)
● 減価償却費を200万円計上した。(資金の増加:+200万円)
差し引きすると、資金の増減が0円のため、現金預金残高は変わらない。

2期を比較して利益が増加しても現預金が増加していないという場合は、このように、利益の増加分に見合う資金が、他の何かに使われてしまったことを意味します。

2016年9月

会社は黒字でなければ存続できない

貸借対照表の借方(左側)には資産(資金の運用状態)が、貸方(右側)には、資金の調達源泉が表されます。会社の資産(資金)を増加させるには、次の3つの方法があります。
 ①借入れをする(主に金融機関からの融資)
 ②資本金を募る(新株発行等による増資)
 ③利益を出して留保する

返済能力の見極めなど中小企業を見る金融機関の眼が厳しくなり、また自社の株式を喜んで購入してくれる人がいない場合、つまり借入れや増資が現実的に難しいとなれば、「利益を出して留保する」しかありません。
会社の経営基盤を安定させるには、黒字化を図り、法人税を払い、残った内部留保を自己資本としてできるだけ蓄積する必要があるといえます。

短期前払費用の計上時期に注意

経費の計上は、会社の利益に関係するため、税務調査でも厳しくチェックされる項目の一つです。“事業年度末までに債務が確定していない費用” については、その事業年度の損金に算入してはならないことになっていますが、前払費用のうち、支払った日から1年以内に提供を受けるサービスに係る短期前払費用については、支払った金額を継続してその事業年度の損金に算入しているときは、支払時点で損金算入が認められます。(借入金を預金等に運用する際の借入金にかかる支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、損金算入は認められません。)
このように、短期前払費用については、一定の要件の下、支払った時点での損金算入が認められますが、その要件を満たしていないと税務調査で否認されることになりますので注意が必要です。

外国人従業員への給与支払い時の注意

外国人を雇用する機会が増えています。外国人従業員であっても、給与には所得税が課税され、源泉徴収が必要です。源泉徴収については、その外国人従業員が所得税法の「居住者」か「非居住者」のいずれに該当するかによって異なります。

厚生年金保険料が引き上げられます

厚生年金の保険料が、9月分から引き上げられます。また、9月分の社会保険料から、各従業員の標準報酬月額も改定となりますので、総務・経理担当者の方は注意しましょう。

2016年8月

中小企業等経営強化法が成立~生産性向上の取組みに支援措置~

5月に、中小企業や小規模企業の生産性向上を図るための中小企業等経営強化法が国会で可決・成立しました。
この法律では、中小企業等が、経営力を向上させるための事業計画を作成し、国の認定を受ければ、低利融資(商工中金)や信用保証枠の拡大(信用保証協会)などの特典があります。
なかでも、事業計画に基づいて、一定の機械・装置を新規に取得した場合に、3年間、固定資産税が2分の1に軽減される措置は、赤字企業が機械等を取得した場合でも減税効果が期待できます。

貸倒損失の税務の基礎知識

売掛金や貸付金などの金銭債権が、相手先の倒産などで回収できなくなることを「貸倒れ」といい、費用(損失)計上できます。
その場合「貸倒損失」として処理することになりますが、税務上は、①法律上の貸倒れ、②事実上の貸倒れ、③形式上の貸倒れ、の場合にのみ損金算入が認められるため注意が必要です。
貸倒れの発生は、資金繰りにも悪い影響を及ぼします。貸倒れを回避するためには日頃から以下のような対策を実施しておきましょう。
1.新規の取引先へは、少額の取引から始める
2.定期的に債権管理を行う
3.取引先の動向に注意する
4.社内で情報を共有する

請求漏れ、二重請求等を防止するため売掛金・買掛金管理を徹底しよう!

請求漏れや請求ミス、回収遅れなどはありませんか。「売上」は商品を引き渡したタイミングで、「仕入」は商品が仕入先から納品されたタイミングで発生主義によってタイムリーに記帳(入力)することで、きちんとした売掛金・買掛金管理ができるようになります。
【売掛金管理の効果】
 ①入金(回収)予定がわかる ②請求漏れを防止する ③回収漏れを発見しやすくなる
【買掛金管理の効果】
 ①支払予定がわかる ②誤った請求書を発見できる ③取引先からの信用が上がる
売掛金を得先別、買掛金を取引先別に、それぞれ発生時、入出金時に記帳(入力)できるようになれば、資金繰りの改善につながります。

2016年7月

小規模事業者の商圏拡大・売上増加要因~2016年版小規模企業白書~

中小企業庁は、全国約325万の小規模事業者の事業活動の実情を調査・分析した「2016年版小規模企業白書」を公表しました。
※「小規模企業白書」では、概ね常時使用する従業員が20人(商業又はサービスは5人)以下の事業者を小規模事業者(個人事業者を含む)としています。

小規模企業は、厳しい経営環境にありますが、売上拡大に果敢な挑戦をした事業者は、そうでない事業者よりも、良い兆しが見られます。「売上が増加傾向にある」と回答した割合が高い事業者の例は次の特長が見受けられたそうです。
 ①商圏の拡大に取り組んだ事業者
 ②インターネット受注比率の高い事業者
 ③得意先・固定客がいる事業者
 ④経営計画を作成した事業者

現金管理をしっかり行っていますか?

現金管理の管理状況によって、その企業の経理水準がわかるといわれます。
現金管理が適正に行われている企業は、それだけ会計上の仕組みや内部牽制が機能していると判断され、反対に、現金管理がずさんであれば、社長の公私混同や、売上・経費の計上の不備が疑われる可能性があります。それだけに、現金管理は基本中の基本といえます。

日々の現金管理のチェックポイントは以下の4点です。自社の現状を確認してみましょう。
 1.社長以外の現金管理責任者が現金の受払いを行っているか
 2.小口現金制度を採用しているか
 3.社内精算のルールを明確に定めているか
 4.日々の取引を記帳し、現金有高を確認しているか

社会保険「算定基礎届」は現物給与に注意!

7月1日(金)~7月11日(月)は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の「被保険者報酬月額算定基礎届」の提出時期です。
実務でよくある間違いとして、現物給与の報酬への合算漏れがあります。この点は、最近、年金事務所等から指摘される企業が増えているそうです。
合算にあたっては、住宅や食事を提供している場合には、従業員の負担分によって報酬に合算する現物給与価額が異なりますので注意が必要です。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年6月

中世ヨーロッパで、なぜ複式簿記は普及したのか?

現代の企業会計の基礎である複式簿記は、中世ヨーロッパのヴェネツィア商人からヨーロッパ中に広がりました。
その理由は、
 ①借方と貸方の一致により、自分の間違いをチェックできる
 ②理路整然とした仕組みによって、取引を漏れなく記録できる
 ③若者の精神を鍛え、創造力をつけさせる
 ④商品ごと、事業ごとの利益が算出できる

という4つの効用にありました。

複式簿記の効用と、記帳とそこから算出された数字を経営に活かすことは、現代の企業においても変わりません。

その支払いは「外注費」で大丈夫?

近年、税務調査で厳しくチェックされている項目の一つです。個人事業者に対して、業務委託契約(請負契約)を結んで「外注費」として処理していても、税務調査では、その実態で、請負か雇用かどうかが判断され、「給与」に認定される場合があります。給与とされると、所得税の源泉徴収が必要になる一方、消費税の仕入税額控除が認められないことになります。

以下のような場合には給与と判断される可能性が高くなります。
 ①当社は外注先に対して、他社の仕事を請け負うことを制限している。
 ②外注先が負担すべき交通費等の諸費用を当社が負担している。
 ③外注先に対して、仕事の進め方・内容について具体的な指示・命令等を行っている。
 ④仕事に必要な道具や材料を当社が支給している。
 ⑤請負報酬について外注先は自ら計算せず、かつ請求書を発行していない。
 ⑥外注先が当社の退職者で在職中と同じような業務をしている。
 ⑦損害賠償規定が契約書に盛り込まれていない。 

労働保険の年度更新をお忘れなく

6月1日~7月11日は「労働保険の年度更新」です。平成27年度の確定保険料の申告・納付については、保険料の計算対象となる賃金総額と従業員の範囲に注意しましょう。
また、平成28年度の概算保険料は、前年度の賃金総額と比較して特に大きな変動がなければ、前年度の賃金総額を見込み額として計算します。概算保険料が40万円以上の場合などは、3回に分割して納付することも可能です。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年5月

消費税改正に備えて再確認したい帳簿の記載事項

消費税の仕入税額控除を受けるには、「課税仕入等に係る帳簿及び請求書等の保存が必要」です。
食料品等への軽減税率が導入されると、将来的にインボイス方式が導入され、今以上に、仕入税額控除の要件も厳格になります。現在の記帳に不備がないか確認しましょう。

仕入税額控除を受けるためには、次の4点の帳簿への記載が必須要件となっています。
 ①課税仕入れの相手方の氏名又は名称
 ②課税仕入れを行った年月日(課税仕入れを行った年月日が異なる場合にはその日付も)
 ③課税仕入れに係る資産又は役務の内容
 ④課税仕入れに係る対価の額(税込み)

黒字決算のために不可欠な経営計画の作成手順

自社の年度経営計画(短期経営計画)を作成する際には、まず預金積立額と借入金(元本)の年間返済額を確保できる金額を試算し、「目標経常利益」を決めます。次に、売上や限界利益率、人件費などを吟味して、目標経常利益を達成できる計画へと仕上げていきます。
目標経常利益を達成できる数字になれば、月次に展開し、商品別や得意先別、営業所・営業担当別の販売計画を検討して具体的な行動へと反映し、目標達成を目指しましょう。

当事務所では、経営計画策定から業績検討までを支援するサービスをご提供しています。
(詳しくはお問い合わせください)

消費税増税(10%)に伴う経過措置 ~駆け込み需要への対応~

消費税増税の延期がマスコミで取り沙汰されています。
予定通り増税される場合、特に完成引渡しまでに長期間を要する請負工事等については、増税半年前の平成28年9月30日までの契約であれば、平成29年4月1日以後の引渡しであっても、経過措置によって8%の税率が適用される場合があり、増税前の駆け込み需要が期待されます。
大手などは、積極的に契約獲得に動いていますので、関連業種は、駆け込み需要の取りこぼしがないようにしましょう。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年4月

黒字決算のために不可欠な経営計画の作成手順

経営に必要な資金を確保するためにも、毎期一定以上の経常利益が必要です。自社の年度経営計画(短期経営計画)を作成する際には、まず「目標経常利益」を決めましょう。
目標経常利益は「年間の預金積立額」「借入金(元本)の年間返済額」の合計額に、減価償却費や利益に対する法人税等を加味した額がひとつの目安になります。
そして、目標経常利益を確保するために、売上高・限界利益率の伸び、従業員給与・賞与、固定費の見直し、営業サイクルや販売先の見直し、社長の役員給与の増減等を含めて、検討しましょう。

役員給与の税務の注意点

役員給与は、定期同額給与であれば、全額損金算入が認められます。また、定期同額給与は、原則として事業年度開始から3か月以内であれば、給与の額を改定することができます。
役員給与の額を決める際には、
 ①税引き後利益から試算
 ②キャッシュ・フローに注意
 ③法人税、所得税、社会保険料を考慮
 ④経営計画に基づく

の4点に注意しましょう。
社長の家族、親族を役員や社員として給与を支給している場合には、その勤務実態に対して支給額が相当かどうか税務調査でよくチェックされます。日頃から、勤務状況や業務内容等の記録を残しましょう。

労働基準法の有給休暇の規定が改正されます

4月から労働基準法の年次有給休暇についての改正が行われる見込みです(今国会で審議中)。
新制度では、年10日以上の有給休暇が与えられる労働者については、そのうち5日分について、社員の希望を踏まえて取得日を予め企業が指定し、必ず与えることが義務づけられます。この改正は、中小企業にも適用されます。
また、従業員数(被保険者数)501人以上の大企業では、1週間に労働時間が20時間以上、月額賃金88,000円以上などの要件を満たすパートタイマーは社会保険への加入が義務づけられます。配偶者が大手企業などでパート勤務をしている場合には、影響があります。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年3月

決算をまたぐ売上計上等の「期ズレ」に注意しよう

今期に計上すべき売上や仕入、経費などを誤って来期に計上したり、反対に来期に計上すべきものを今期に計上してしまうことを「期ズレ」といいます。
一般に売上取引は、「納品→請求(請求書発行)→入金」といった流れで行われますが、この流れが決算日をまたいで行われると、売上計上の誤りが起こりやすくなります。例えば、決算日が3月31日、請求書の締め日が毎月20日の会社が、決算月の3月21日から31日までの売上を4月(来期)に計上してしまうといったことがよくあります。
法人税額に影響するため、税務調査においてよく指摘されるところなので、注意しましょう。

平成28年4月1日から施行される税制

過去の税制改正で今年の4月1日から施行される制度があります。更に今年の国会で可決成立すればこの4月から施行されることになる税制があります。企業経営や個人で活用できるものもありますので、確認しておきましょう。

 ①一定の機械装置等を新規取得した場合に固定資産税が3年間半減されます(赤字企業でも使えます)
 ②ジュニアNISAが始まります(4月1日以後の受け渡し分から)
 ③所得拡大促進税制の要件緩和(賃金増加率を5%から3%に緩和)

平成28年4月から健康保険の標準報酬月額等の上限を引上げ 

社長・役員クラスの方など、毎月の給与などの報酬が123万5,000円以上の人は、4月から健康保険の標準報酬月額が引き上げられるため、健康保険料が上がります。
また、被保険者が病気やケガのために会社を休み事業主から十分な報酬が受けられない場合に健康保険から給付される傷病手当金については、受給直前の標準報酬月額を高くして給付額を増やす行為を防止するため、計算方法の変更が行われます。

※以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には、「事務所通信」を送らせていただきます

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年2月

決算に向けた黒字化対策

3月に決算を控えた企業も多いと思います。近年は赤字企業に対する金融機関の評価も厳しくなっています。決算予測が赤字の見通しならば、今からでもできる利益確保策に取り組みましょう。あきらめたら、それまでです。

■ 重点得意先への営業
■ 商談中や見積り段階の案件の成約
■ セール販売などの営業活動の強化 等

黒字の見通しなら、資金を流出させるだけの対策ではなく、来期の業績につながるような節税対策を検討しましょう。

一般的に年に1回行われる決算の直前にできる対策は限られています。そのため、直近1か月の業績をタイムリーに把握し、迅速な経営判断を行う月次決算体制の中で検討することが望ましいといえます。
毎月、帳簿を締めて、最新の売上高、売上原価、経費や利益を掴む月次決算での検討の積み重ねがあって、はじめてより的確な決算対策が可能になります。

「つもり贈与」に要注意!!

国税庁は、相続税調査時などの機会を通して、無申告事案を中心に積極的に贈与税の調査を実施するようです。過去に行った親族への贈与が認められず、相続時に相続財産として課税される例がよくあります。このように「贈与したつもり」でも、それが、認められない「つもり贈与」に注意する必要があります。

贈与について、民法では「当事者の一方が自己の財産を相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって成立する」とされています。したがって、一方的な意思表示のみで成立するものではなく、当事者間の契約があってはじめて有効になります。税務調査等で、生前贈与した事実を証明できるように以下の点に注意することが必要です。

注意1 贈与の際、契約書を作成する。
注意2 通帳や印鑑、カードの管理は贈与を受けた本人が行う。
注意3 お金の贈与は振込で行う。

平成28年1月から雇用保険関係の届出にはマイナンバーが必要です。

マイナンバー制度がはじまりました。雇用保険関係では、平成28年1月1日以降提出分から、雇用保険の「被保険者資格取得届」・「被保険者資格喪失届」へのマイナンバーの記載が必要になります。
なお、税務関係の源泉徴収票などの毎年1月末までに提出する法定調書へのマイナンバーの記載は、平成29年1月末提出の「平成28年分」からになります。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2016年1月

高級陶磁器会社の経営危機を救った複式簿記の力 ~なぜ帳簿を付け仕訳をするのか~

18世紀後半のイギリスにおいて、高級陶磁器会社として名を馳せたウェッジウッド。ところが、経営の内情は資金繰りの悪化と過剰在庫で火の車でした。しかし、その危機を救ったのが複式簿記の導入でした。そのポイントは次の3つです。
①複式簿記によって、仕事の流れと勘定科目をチェックし、問題点を明らかにした。
②費用には、固定費と変動費があり、それが利益に影響することに気づいた。
③業績を正しく把握するために、会計専門家に帳簿の監査を依頼した。

受け取った保険金の所得税の取り扱い

所得税の確定申告の時期が近づいて来ました。受け取った保険金には、所得税がかかるものがあります。また、受け取った保険金の情報は、保険会社から税務署に報告されるため、うっかり申告を忘れると、あとで税務署から申告漏れを指摘されますので、注意が必要です。

(所得税が課税される主な保険金・給付金の例)

■ 満期保険金  ■ 死亡保険金  ■ 個人年金保険の年金 ■  祝金、生存給付金  ■ 解約返戻金 
■ 学資保険金 

マイナンバーの取り扱い ~収集と本人確認の方法~

平成28年1月からマイナンバー制度が始まりました。実務では、企業が作成する税や社会保険関係の書類にマイナンバーを記載しなければならず、従業員等(その扶養家族を含む)や外部の取引先等からマイナンバー(個人番号)の提供を受ける(収集する)必要があります。その際、番号間違いや成りすまし防止等のため「本人確認」を行います。
この本人確認には、原則として番号確認と身元確認(省略ができる場合もあります)の2つが必要で、次のような書類等の提示を受ける必要があります。

番号確認…通知カードやマイナンバー記載の住民票、個人番号カード
身元確認…運転免許証やパスポート、個人番号カード

所得税確定申告のための主な書類

 所得税確定申告の準備のために必要書類を準備しましょう。
事業収入がある個人事業者の場合、収入(所得)については、次のような書類が必要となります。

□ 現金出納帳等の会計帳簿、通帳、青色事業専従者給与の届出書など
□ 売上資料(請求書控、売上日報、支払調書など)
□ 経費資料(領収書、請求書、カードの利用明細など)
□ 固定資産取得についての資料
□ 自家消費や家事関連費の明細書
□ 12月31日時点の売掛金・買掛金等の残高の明細書及び棚卸表等
□ 借入返済表(リース支払明細書)  等々

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2015年12月

売上と利益の中身をよく点検してみよう!

平成27年ももうすぐ終わりです。自社の今年1年の経営を振り返ってみませんか。売上や利益の中身を取引先別、商品別に見ると、「売上が顕著に増加(減少)している取引先や商品があった」「売れ筋商品の価格、性能、品質などが変わってきている」など、売上高の総額からは見えない変化に気づくことがあります。そこから平成28年の目標や行動を考えるヒントが得られます。

  取引先別の売上変化の確認ポイント

□ 売上高が(増えている・減っている)取引先がある。
□ 大口や主要な取引先の売上高が(増えている・減っている)。
□ 取引が少なかった取引先の売上が増えてきている。
□ 新規開拓先の売上が増えてきている。
□ 新規顧客が(増えている・増えていない)。

配偶者のパート収入の税金と社会保険

年末調整の時期になると、「103万円の壁・130万円の壁」が気になります。例えば、妻がパート収入のみの場合、以下のようになります。(生命保険の一時金等、その他の収入がある場合は年収に合計するので注意が必要です)。

● 年収が103万円以下
 妻本人の収入には所得税はかからず、夫も配偶者控除が受けられます。
 (但し住民税は100万円超から課税されます。自治体によっては100万円以下でも課税。)
● 年収103万円超141万円未満の場合
 一定の要件を満たせば、夫は配偶者特別控除を受けることができます。
● 年収が130万円以上になった場合
 夫の加入する社会保険の扶養家族から外れ、妻本人が社会保険料等を支払うことになります。

※マイナンバー制度により、パート収入等もほぼ正確に把握されるようになります。誤りにも十分注意しましょう。

個人番号カードの取得方法と利用できるサービス

郵送されるマイナンバーの「通知カード」と、申請によって交付される「個人番号カード(マイナンバーカード)」は別のものです。通知カードには「個人番号カード」の交付申請書が同封されています。
「個人番号カード」の取得は任意ですが、今後、国や自治体が行う行政サービス(電子申告・申請、コンビニ設置の端末からの住民票等の取得など)を利用するには、「個人番号カード」が必要になるようです。

  個人番号カードのサービス

公的な身分証明書として利用できる。
国や自治体等が提供するサービス毎に必要だった複数のカードが個人番号カードと一体化される。
搭載された電子証明書を使って電子申告や各種行政のオンライン申請ができる。
コンビニなどで住民票、印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得できる。
平成29年1月開始の個人専用サイト「マイナポータル」を利用できる。 など

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)

2015年11月

年末調整・「保険料控除申告書」の記入ミスに注意!!

 年末調整により生命保険料控除を受けるには、10月下旬頃に保険会社等から各従業員に届いた保険料控除証明書等が必要です。
 こうした書類をもとに保険料控除申告書を作成しますが、配偶者特別控除申告書も含め間違いが見受けられます。以下の注意点を従業員に徹底しましょう。

送られてきた「控除証明書」等を紛失しない。(原本を添付します)
生命保険の種類と新旧区分が正しいかをチェックしたか?
保険金等の受取人の氏名や続柄などが記載されているか?
「保険料等の金額」欄には1年間に支払った金額が記載され、正確に控除額が計算されているか?
「扶養控除等(異動)申告書」に記載があるのに「配偶者特別控除申告書」に二重記載していないか?

平成28年分の扶養控除等(異動)申告書からマイナンバーの記載が必要です

 今年の年末調整の実務において、年内に平成28年分の「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう場合には、企業がマイナンバーを取得することが認められています。
 マイナンバーの記載された「扶養控除等申告書」を提出してもらうにあたって、「利用目的の明示」と「本人確認」が必要になります。

経営者の引退に備える小規模企業共済制度のメリット

 小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主または会社等の役員の方が事業をやめられたり、退職されたりした場合に、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておく、小規模企業の個人事業主の「退職金制度」といえる制度です。
 この制度は、掛金を払い込む時と共済金を受け取る時、それぞれに節税を受けられるというメリットがあります。

知っておきたい年金受給の手続き

 一般的な会社員の年金は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。国民年金は一律65歳から、厚生年金は生年月日等により支給時期が異なりますが、将来的には一律65歳からの支給になります。
 年金は自動的には支給されず、請求する必要があります。日本年金機構から送られてくる「年金請求書」に必要事項を記載後、添付書類とともに最寄りの年金事務所に提出することで支給が開始されます。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方はお問合せください)